東京都品川区
- 重厚な素材の対話。都市の喧騒から隔絶する住まいの哲学 -

この邸宅は、異なる素材と質感のコントラストを極限まで追求した、力強くも洗練された現代建築です。
周辺の住宅とは一線を画す、彫刻的な造形が大きな特徴です。
建物の外観は、「重厚な下部」と「軽やかな上部」という、明確な二層構造によって成り立っています。

道路に面した下階は、自然の野趣あふれる石積みの壁で構成されており、重厚感と安定感を与えます。
この石壁は、都市の視線や喧騒から住空間を強力にガードする「守りの壁」として機能し、高いプライバシーを確保しています。
無骨な石のテクスチャーは、周囲の均質な環境に対する力強いアクセントとなっています。

上階は、打ち放しコンクリートの巨大な箱型ボリュームが、下階の石積みからわずかに浮き上がっているようにデザインされています。
この浮遊感は、下階との間に設けられた水平方向のガラス窓(ハイサイドライトまたは連続窓)によって強調され、建物全体に軽快なリズムとモダンな緊張感を生み出しています。
打ち放しコンクリートの均質でクールな質感は、下部の石のランダムな質感と見事な対比をなしています。

下層と上層の間にあるガラスのスリットからは、室内に均一で穏やかな光が導き入れられ、昼間でも内部空間に静謐な雰囲気をもたらします。
また、右側面に見える縦長のガラス窓は、内部に深い奥行きを与え、素材の切り替わりがそのまま空間の境界線となっている、建築家の緻密な思考が反映された設計です。

計画概要
区域区分:市街化区域

用途種別:第1種低層住居専用地域

建ぺい率:60%

容積率:160%

外壁の後退距離:-

敷地面積の最低限度:

高さの最高限度:10メートル

高度地区:第1種高度地区

最高限度:-

最低限度:-

防火・準防火地域:準防火地域